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血液内科の魅力

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すべての診療の土台にある「血液」 その可能性は、限りなく広がっています。

血液内科は、最先端・次世代の医療の中心にあり、これまで「治らなかった病気」に治癒という可能性をもたらしてきました。がんの治療をはじめ、新薬の開発、再生医療、ゲノム医療など、医療の未来を切り拓く研究と臨床の接点に位置するのが、この分野です。

治療計画を立てる際には、病態を読み解き、状況を予測しながら、一人ひとりの患者さんに最適なアプローチを選び取る――その過程には、知的で奥深い面白さがあります。加えて、日々進化する医療技術と研究成果が、常に新たな手段を提供してくれるという刺激的な環境があります。

私たちは、いま存在しない治療法を生み出すことに挑戦し続けています。
血液内科は、まさに「治癒に最も近い場所」であり、「命と未来」に真正面から向き合うことのできる診療科です。

これまでの血液内科学講座

かつて「治らない」と言われた病気が、今は「治せる病気」へ

20世紀の医学では、白血病は「不治の病」とされていました。しかし、化学療法や造血幹細胞移植の発展により、現在では寛解(病状が落ち着いた状態)に導くことが可能になりました。

移植治療の進歩

かつては、造血幹細胞移植は大きなリスクを伴う治療でした。しかし、支持療法の進化により、移植後の合併症をコントロールする技術が向上。結果として、治療成功率も格段に上がりました。

「助からなかった命」を、救える時代へ

血液内科の歴史は、まさに「医療の進歩」の歴史です。過去には救えなかった患者さんが、今は治療を受け、社会復帰できるようになっています。

血液内科学講座のいま

がんはすべての国民の課題

がんは、もはや特別な病気ではありません。
日本では、年間約30万人ががんで亡くなり、年間約60万人が新たにがんと診断されます。男性の2人に1人、女性の3人に1人が、人生で一度はがんを経験する時代。
「自分は関係ない」と言えない病気だからこそ、最前線で治療に携わる医師の存在が欠かせません。

治療の進歩と、やりがい

15年前には救えなかった命が、今は救える。
新しい薬、新しい治療法が次々と登場し、助けられる命が確実に増えています。医療の発展をダイレクトに感じられるのが、血液内科の大きなやりがいです。

新しい治療の開発

血液内科は、最先端の治療法が次々と実現されていく分野です。
中でもCAR-T療法は、近年大きな注目を集める画期的な免疫療法であり、特定の難治性血液がんにおいて、これまでにない治療効果をもたらしています。

このような革新的な治療が現実になった背景には、全国レベルで構築された医療ネットワークの存在があります。高度な情報が迅速に共有される時代になり、地方にいても中央と同じレベルの医療を提供することが可能になりました。

大分大学もその中核を担っており、最先端医療を日常診療の中で経験することができます。血液内科は、日進月歩の医学の進化を肌で感じられる場所です。

充実した関連病院ネットワーク

大分大学は、県内血液診療の中心的存在。

大分大学は、県内全域の血液診療ネットワークの中心として機能しています。

若手のうちから地域の基幹病院や中核病院で実践を積むことができ、どの病院でも同じ質の治療が提供できる環境が整っています。これは、県内で「できない治療がない」と言われるほど、血液診療の充実した体制があるからこそです。

大分県内のどこにいても、高度な血液疾患の診療に携わることができ、
若手医師が多様な症例に触れる機会も豊富にあります。

中央と同じ診療ができる地方、それが大分

「この命を救いたい」――そんな想いを叶えるために必要な診療水準が、大分には整っています。
東京や大阪といった都市部にいなくても、最先端の治療が行える。そのことに誇りとやりがいを感じている医師は少なくありません。

生きたい 助かりたいという患者さんには人間力が必要

リスクを取って治癒を目指す

血液内科は、患者さんの「生きたい」「助かりたい」という思いに、真正面から応える診療科です。
ときにリスクを取りながら、治癒を目指す治療を選択する――それは決して簡単な道ではありませんが、その分、一人の患者さんと長く深く関わり、寄り添い続けることができます。

患者さんと向き合う中で、医師自身が人間として成長し、また患者さんから多くを教えてもらう。そんな日々が、血液内科にはあります。

血液内科の医局員

若手医師が増加中 ― モデルケースが身近に

近年、大分大学の血液内科学講座には若手医師が次々と加わっており、活気に満ちた雰囲気の中で診療・研究が行われています。
「ちょっと先を行く先輩たち」がすぐ身近にいる環境は、将来の自分の姿を具体的に思い描きやすく、進路に迷う時の心強いモデルにもなってくれます。

指導体制も整っており、経験に応じて段階的に力を伸ばせるよう、日々の診療の中で自然に成長できる環境が整っています。

2023年のデータより

女性医師も増加 ― 女性が働きやすい診療科

血液内科は、長期にわたって患者さんと関わることが多いため、チームで支え合う文化が根付いています。
そのため、勤務スタイルに柔軟性があり、女性医師がライフステージに合わせて働き続けやすいことも特徴です。

実際に、女性医師の割合が年々増えており、家庭との両立や育児と仕事のバランスをとりながら、専門性を磨いている先輩も多数在籍しています。

一人で抱え込まずチームで対応していく

難治性の疾患や判断の難しい症例に直面したとき、経験豊富な中堅・ベテラン医師の存在が大きな支えになります。

一人ではなく、チームで考え、チームで決断をする――それが血液内科の基本姿勢です。

若手医師が無理に抱え込まずに済むよう、困った時には必ず相談できる環境が整っています。患者さんにとっても、「一人の先生」ではなく「チームが支えてくれている」という安心感につながります。

ご家族から「ここまでしていただいて、本当にありがとうございました」と感謝の言葉をいただくことも多く、血液内科という診療科の奥深さと温かさを実感する瞬間です。

血液内科へ入局したらあなたの道が、きっと見つかる

入局時に
「決まっていなくても」大丈夫

「臨床か研究か、まだ自分の進みたい方向がはっきりしない」
そんな状態で入局してくる若手医師も多くいます。
大分大学の血液内科学講座では、その迷いを前提として受け入れ、丁寧に寄り添いながら進路を一緒に考えていきます。

日々の診療の中で、「この分野が面白い」「この治療が向いているかも」と自然に自分の興味や適性が見えてくることも多く、それぞれのペースで進路を見つけていけるのが大きな魅力です。

進む道はあとから決まる
柔軟な研修スタイル

血液内科は、臨床・移植医療・研究・教育といった幅広い分野に分かれており、それぞれが独立しながらも連携しています。そのため、最初から一つの道に絞らなくても、実際に経験する中でしっくりくる方向を選ぶことができます。

「無理に決める必要はない。進むうちに自然と道が見えてくる」――
そんな柔軟なスタンスが、この医局の特徴でもあります。

専門医取得を丁寧にサポート

教授や先輩医師は、各人が専門医や認定医をスムーズに取得できるよう、細やかな配慮を欠かしません。
症例数の確保、必要な研修内容のバランス、学会発表や論文執筆の指導まで、個々の目標に応じて支援してもらえる環境が整っています。

「自分はどういう医師になりたいか」を考えながら、一歩一歩着実に成長していける――そんな安心感がここにはあります。

血液内科のこれから

血液内科はAIに取って代われない

医療の分野では、AIの進化が急速に進んでいます。とくにがんゲノム情報の解析や、大量データの処理といった場面では、AIの力が存分に発揮されています。

しかし――患者さんの全身状態は、数値だけでは語れません。1日1日、微妙に変化する顔色や表情、声のトーン。治療に対する不安、希望、言葉にしきれない感情。それらを感じ取り、治療計画を調整し、ときには一緒に泣き、笑い、寄り添うことは、人にしかできません。

血液内科は、高度な専門性と同時に、人間的な共感力が不可欠な分野です。「AIでは担えない医療」が、ここにはあります。

終わりなき探究のフィールド

血液内科には、まだまだ未知の領域が数多く残されています。
ひとつの治療法が確立されるたびに、また新たな課題が見つかり、そこから新しい研究が始まっていきます。

「なぜ、この患者さんには効いたのに、あの人には効かなかったのか」
「もっと副作用を減らせないか」
「この変異は、どうして起こったのか」

そうした問いが次の進歩を生み出します。人体には、そして免疫には、まだまだ解明されていないメカニズムが多く残っており、それを明らかにしていくことが、未来の命を救うことにつながっていくのです。

血液内科は、決して「完成された学問」ではありません。
だからこそ、終わりなき探究に挑み続ける価値があります。

血液内科は、命に向き合う仕事であると同時に、未来をつくる挑戦でもあります。
「診療の知性」と「人としてのあたたかさ」を両立させながら、一歩ずつ、確実に力をつけていく。
そんな日々の中で、きっとあなた自身の医師像も見えてくるはずです。

迷ったら、まずは見に来てください。
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先輩の声

医局での日常や診療のやりがいについて、実際に働く先輩医師の言葉をご紹介します。

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研修・見学の問い合わせ先

腫瘍・血液内科学講座では、見学・研修を希望される方を随時歓迎しています。
専攻医、初期研修医、医学生など、どのステージにいらっしゃる方でも大歓迎です。
また、現在ほかの診療科に所属されていたり、ほかの医療機関に在籍されている医師の方で、腫瘍内科での診療にご関心をお持ちの方も、ぜひお問い合わせください。
「実際の現場を見てみたい」「話を聞いてみたい」とお考えの方は、どうぞお気軽にご連絡ください。
経験豊富な医師がご案内し、今後のキャリア形成に役立つ機会を提供できればと考えています。

大分大学大学医学部腫瘍・血液内科学講座
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